横浜元町ストリートチョークアートイベント10/31

ストリートチョークアート

みなさん、こんにちは!

ハロウィンがおわり、今年もあと2か月を切りました。31日の朝、大きなニュースが舞い込んできました。それは首里城全焼のニュースです。この日、私は横浜元町商店街で行われるハロウィンイベントの当日で朝早くから緊張して目が覚めました。そこへLINEが入り、首里城が炎上していることを知りました。何か古いものが消滅して、完全に新しい時代に入るようなそんなことを思いました。

友人が沖縄に来たときには首里城に行きますし、ひとりで落ち着きたいとき、首里城の周辺は散歩するのに気持ちのよい場所です。公園中に入らなくても、そのまわりを散策するだけで癒されます。私は沖縄の城(グスク)と呼ばれる城跡が好きで、琉球王国の豊かさや沖縄独特のゆったりとした文化を感じられます。

来年は2020年、オリンピックイヤー。
時代の変化を敏感に感じるこの1年です。



さて、話は変わりますが、横浜元町商店街のハロウィンイベントは2001年からスタート、今年で19回目となるそうです。2001年は私がチョークアートを始めた年なので同い年、来年で20年になります。

今回お声かけ頂き、大変光栄に思いました。なぜなら、横浜元町商店街には本牧に住んでいた時によく買い物に行ったなじみ深い場所だからです。

当時、免許を取得したばかりで、私が車で行ける場所といえば、石川町の駅でした。さらに、私の絵のタッチに合ったクラシカルでヴィンテージ風、すこし不気味な雰囲気の絵を描いてほしいという要望もうれしかったです。


久々に訪ねた元町は活気にあふれていて、オシャレな名だたるお店がヨーロッパの街並みのような雰囲気を醸し出していました。巨大なショッピングモールはエアコンも聞いていますしトイレも各階にありますし便利です。ですが、こういった石畳の通りを外の空気を感じながら買い物をしたり、カフェに入って休憩するのは新鮮でした。実際、打ち合わせで伺った翌日に、もう一度行ってゆっくりお店を見たりランチをして、 個人的に元町商店街を楽しました。

ハロウィンイベントで夕方から盛り上がる元町商店街


イベント当日は、歩行者天国となり、その通りの5か所に私たちがチョークアートを描きます。サイズするとかなり大きいものですが、11時から16時までの5時間の間に5枚の絵を完成させるというスケジュールでした。
1枚45分のペースで、片付けや移動を含め休憩なしで描く予定でしたが、車両の移動や器具の移動などでスタートが遅れ最後の一枚は断念し、4枚の絵を描きあげました。


今回は私、アーティチョークのスタッフとして3名そしてヘルプ2名の計6名。下絵を見ながら、それぞれが黙々と道路に向き合い勢いよく描きます。近くで描いて、離れて確認する。

ストリートチョークアート
発色がよくカラフルなチョークパステルを使用


しゃがんだり、立ち上がったり、中腰になったり・・・目の前の絵に夢中になって描き、自分の描く部分が書き終えると、全体のバランスを見て、仕上げに入り、完成を確認して次へ!とにかく目まぐるしく動いた一日でした。


11時に現場に入って、あっという間に夕方。本当にこれだけの時間が経ったのかと驚くほど、それぞれが絵を描くことに集中していました。描いていると、子供たちの声が聞こえてきます。最初は夢中で描いていたので、耳に入ってきませんでしたが後半になって余裕がでてくると、周りの人々の声が聞こえてきます。


「見本を見ながら描いてるんだね!」
「すごい!職人技だ!」
「役割分担して描いてるんだね!」
「すごい、上手!かわいい!」
「自分も描きたい!」
「青じゃなくて紫っぽい青を使ってるね」・・・など


私たちが描く姿を 真剣なまなざしで見ている子供たち。その観察力のすばらしさ!描きたい!楽しそう!かっこいい!そういった感情を引き出しているのであるとすれば、この仕事は成功なのではないかと思いました。

ひたすら地面に向かって描き続けます


もちろん、子供だけではありません。
大人も、地面に描いた子供のころの思い出や、自由に大胆に描く楽しさを思い出してワクワクする。なにかができてゆく様子を見てワクワクする。その感覚を呼び起こしているのが、目の前で描いているストリートチョークアート。

5時間で4枚の絵を完成させてホッと一息記念撮影



美術館に絵を見に行っているわけでもなく、通りがかった街で描いていたその時だけの出会い。絵は刻々と姿を変え完成して、じきに人々がその上を歩いて薄れてゆく。写真や動画にも写せるけれど、その雰囲気を感じることができるのは、そこに存在した人、そしてその瞬間だけ。そのはかなさと尊さがストリートチョークアートの魅力です。



ストリートチョークアート
描いた絵は、その後たくさんの人々が行き交い消えてゆきました
キッズチョークアートの会場は小さな石畳に思い思いの絵を描く自由スペース




アメリカで、はじめてストリートチョークアートのイベントを見たときはワクワクして、とにかくその場所から離れず朝から晩まで見ていました。会場にいち早く着いて、毎日通って、張り付くように見ていたら、憧れていたアーティストにわざわざ日本から見に来たのなら、私たちと一緒に描いてみない?と誘われ、幸運にも参加することができたのです。


実際に道路に描くと、コンクリートの地面が温かく、そこに削れるチョークの音、そして感覚が何とも言えず心地よかったのを覚えています。役割分担でみんなで1枚の絵を完成させるのも、普段やらないことなので共同作業による大きな達成感を感じました。

世の中には、こんな楽しいことをしている人たちがいるんだ・・・そう思った瞬間です。そして、わたしもいつかこの仲間に入りたい!と野望を持ちました。

アメリカマイアミで行われたチョークフェスティバルにて


画面左上の薄紫色のTシャツを着ています。
1日作業に参加させてもらい ました。


このハロウィンイベントの2日前に、私はバスキア展を見に行きました。彼の絵は、エネルギッシュで天才的な遊びのある絵でした。何が人々の心を魅了するのか、そう考えながら絵を見ていました。それはワクワク感でした。疲れて家の扉をあけて、リビングにこの絵が飾ってあったら… 「あ!自分も自由で楽しいことしよう!」と思えるかもしれない、そう思ったのです。

バスキア展で見た作品


なので、是非、皆さんにも自分の好きな絵を自宅に飾って頂きたいです。絵には、そういった心理効果があります。寝室にはリラックスする絵やキッチンには食欲を湧かせる絵。よく海外の映画やドラマには家の中に誰が描いたのかわからない独特な絵がたくさん飾ってあったりします。


私の好きなスーツというアメリカのドラマの中では、プライベートオフィスの壁に、必ずその人の選んだ絵が飾られています。そしてそのどれもが本人の性格やセンスを感じさせる絵でした。


絵のもつ力は、数値にしたり効果を測ることができませんが、確実にワクワク度は上がるのではないでしょうか?私はこのところ、このワクワクを人に伝えることが自分の仕事なのかもしれないと確信しています。


伝え方は沢山ありますので、今後もいろいろな形で皆さんに、いろいろな場所でお会いしてワクワクする感覚を思い出してもらえたらと思います。


それは、チョークアートだけに止まりません。
私は現在、アクリル画やその他ミクストメディアを使用して作品作りをしています。お客様のお店や要望、用途に応じて使用する画材やタッチ色使いを変えて描くバーサタイル(多用途)な商業アーティストで居たいと思っています。これまで20年近く、黒の背景にオイルパステルで描いてきた私にとって白や他の色の背景や、にじみ、透明感、混色といった体験は非常に新鮮に感じ、組み合わせて描くことで新しい作風を追及できるとワクワクしています。


私はチョークアートをはじめとした手描きアートで、店舗や商業施設、イベントを盛り上げる存在でいたいと思っています。また、個人店舗等ではこうしたイラストだけに止まらず、ショップカード、HP、ディスプレイ関連のことまでトータルで提供できる存在で居たい。栗田さんに相談すれば、なんとかなる!という多用途なアーティストでいたいのです。


私は沖縄という本土から離れた場所に住んでいます。たくさんのアーティストがいる中で、私という存在を見つけてくださりオファー下さるお客様に誠心誠意、期待に応えられる仕事をしたいと思っています。


今後も、このような公のイベントに携わってゆきたいです。商店街の活性化や商業イベントなどで、ストリートチョークアートイベントを企画してみたいという団体様や企業様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。参加型のイベントなども今後は行ってゆけたら良いなと思っています。

長いブログになりましたが、お読みいただきありがとうございました。

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